第5章:契約前に必ず確認すべきポイント ・ローンの事前審査と本審査の違い

不動産購入における**住宅ローンの事前審査(仮審査)と本審査(本申込み)**の違いを理解することは、購入計画をスムーズに進める上で非常に重要です。以下に整理して解説します。


🏦 1. 住宅ローンの「事前審査」と「本審査」の違い

項目事前審査(仮審査)本審査(本申し込み)
目的「購入可能なローン額や借入条件を確認する」「実際にローンを実行できるか正式に審査」
審査内容年収・勤務先・勤続年数・信用情報などの簡易審査書類に基づいた詳細審査(年収証明、源泉徴収票、課税証明書、物件調査など)
提出書類概算の収入情報、身分証明など簡易資料収入証明書、本人確認書類、印鑑証明、住民票、売買契約書など正式書類
審査期間数日~1週間程度1~2週間程度
結果の効力「融資可能かどうかの目安」「融資実行の可否を正式に決定」
特徴購入希望物件に申し込む前に、事前に融資の可否を把握できる契約後の正式な手続きで、融資実行の最終判断を受ける

🔹 2. 事前審査(仮審査)の特徴と役割

  1. 購入可能なローン額の目安を知る
    • 年収や返済比率から「どのくらいの価格帯の物件を購入できるか」を確認できます。
  2. 購入意思の証明になる
    • 売主や不動産会社に「購入意欲あり」と示すことができ、物件の申し込み(契約)を優先して進めやすくなります。
  3. 手続きが簡単で短期間
    • 書類も少なく、1週間程度で結果が出るため、内見や契約前に確認することが一般的です。

🔹 3. 本審査(本申し込み)の特徴と役割

  1. 正式融資可否の判断
    • 事前審査の結果に基づき、売買契約後に本審査を申し込みます。
    • 所得証明や物件調査(担保評価、登記情報確認)が行われ、最終的に融資額や金利条件が確定します。
  2. 契約との連動
    • 売買契約書の内容(価格・引渡日)に基づき、正式に融資実行が決定します。
    • 本審査が通らないと、契約解除や手付金の扱いなど注意が必要です(ローン特約があれば解除可能)。
  3. 審査期間が長く、書類も多い
    • 収入証明、印鑑証明、住民票、売買契約書など、多くの正式書類の提出が必要です。

🔹 4. 両者を活用する流れ

  1. 物件探し・購入予算の検討段階
    • まず事前審査を受けて、「どのくらいの価格帯の物件を購入できるか」を把握。
  2. 購入希望物件が決まったら
    • 売買契約を結ぶ前に事前審査の結果を不動産会社に提示。
  3. 契約締結後
    • 本審査を申し込み、正式に融資可否が決定。

⚠️ ポイント

  • 事前審査は「確定ではない」ため、過信は禁物。
  • 本審査で年収や物件条件に問題があると、融資が下りない可能性があります。
  • 売買契約時には「ローン特約」を必ず入れておくことで、本審査が通らなかった場合でも契約解除可能です。

🔹 5. まとめ

  • 事前審査(仮審査):購入可能かどうかの目安を確認するための簡易審査
  • 本審査(本申し込み):契約に基づき正式に融資可否を判断する審査
  • 不動産購入の流れでは、事前審査→契約→本審査→融資実行が一般的
  • ローン特約を活用して、本審査の結果で契約解除できるようにしておくことが安全