第6章:ローンと資金計画の立て方 ・頭金ゼロは本当に危険?

住宅ローンで「頭金ゼロ=自己資金を使わずに全額借入」という選択は可能ですが、リスクが高いケースも多く注意が必要です。以下にポイントを整理します。


🏦 1. 頭金ゼロの住宅ローンとは

  • 物件価格の100%を住宅ローンで賄うケース
  • 初期費用(諸費用)は別途現金で用意する場合も多い
  • 頭金がないため、借入額が大きくなる=月々返済額も増える

🔹 2. 頭金ゼロのメリット

  1. 手元資金を温存できる
    • 貯金を残したまま購入でき、教育費・投資・緊急費用に回せる
  2. 購入のスピードが速い
    • 頭金を貯める期間を待たずに購入可能
  3. 物件価格の上昇メリットを逃さない
    • 市況が上がっている場合、早く買うことで資産形成につながる可能性

🔹 3. 頭金ゼロのリスク

  1. 返済額が大きくなる
    • 月々のローン返済が家計を圧迫する可能性
    • 余裕を持たない返済計画は生活の不安定化につながる
  2. 借入額が大きいため利息負担も増える
    • 例:3,000万円借入 → 総返済額約4,000万円
    • 頭金を500万円入れれば利息総額が大幅に減る
  3. ローン審査が通りにくくなる
    • 金利が低くても借入額が大きいと返済負担率が高く、審査に不利
  4. 物件価値の下落リスク
    • 物件価格が下落した場合、借入額>資産価値となり、いわゆる「逆ざや」状態に
    • 売却・住み替えが難しくなる
  5. 諸費用は別途必要
    • 仲介手数料・登記費用・保険料などは現金で支払う必要がある
    • 頭金ゼロだと、手元資金が足りなくなるケースもある

🔹 4. 頭金ゼロにするかの判断基準

  1. 返済額が生活費に対して無理のない範囲か
    • 月収の25〜30%以内が目安
  2. 手元資金に余裕があるか
    • 緊急予備資金(生活費3〜6か月分)は残しておく
  3. 金利タイプや繰上返済計画を考慮
    • 低金利+繰上返済で元本を早く減らす戦略が有効
  4. 物件価格や将来価値の安定性
    • エリアや建物構造など資産価値が比較的安定しているかを確認

🔹 5. 無理のない対応策

  • 可能であれば頭金1〜2割入れるだけでも利息負担や返済額は大幅に減少
  • 諸費用も含めた総資金計画を立てる
  • ローン審査時に「頭金ゼロでも返済可能か」を事前に確認
  • 変動金利の場合は金利上昇リスクをシミュレーション

💡 まとめ

  • 頭金ゼロは手元資金を残せるメリットがある反面、
    ✅ 月々の返済額が増える
    ✅ 総利息が増える
    ✅ 売却・住み替え時のリスクが高まる
    というリスクがあります。
  • 無理のない返済計画を前提に判断することが重要で、可能であれば頭金を少額でも入れる方が安心です。