地役権・通行権トラブルの実例と解決法|私道・袋地・共有道路で揉めないための基礎知識と対処法を解説
「購入した土地に車が入れない」
「隣地を通らないと自宅に行けない」
「私道の持ち主から突然『通行料を払ってほしい』と言われた」
このような 通行トラブル・道路トラブル は、不動産取引の現場で実は非常に多い問題です。
特に、
- 私道に面した土地
- 袋地(道路に接していない土地)
- 別荘地・分譲地・古い住宅地
では、地役権や通行権が絡んだ複雑なケースが少なくありません。
そして一度トラブルになると、
- 売却できない
- 住宅ローンが通らない
- 近隣関係が悪化する
など、資産価値に大きな影響が出ます。
この記事では、
地役権・通行権の基礎知識から、実際のトラブル事例、具体的な解決方法、売却時の注意点まで を分かりやすく解説します。
そもそも地役権・通行権とは?
まずは言葉の整理から。
地役権(ちえきけん)
👉 他人の土地を自分の土地のために利用できる権利
代表例が「通行地役権」です。
例:
「隣の土地を通って道路に出る権利」
登記されていれば、法的に強く保護されます。
通行権
👉 通行できる権利の総称
- 地役権に基づく通行
- 民法上の囲繞地通行権(袋地救済)
- 慣習的な通行
など、いくつか種類があります。
つまり「通れる」と言っても、
法的根拠があるかどうかが非常に重要 なのです。
よくあるトラブル実例
ここからは実際によくあるケースを紹介します。
実例① 私道の持ち主から通行を拒否された
古い分譲地でよくあるケース。
購入後に、
「ここは私有地なので勝手に通らないでください」
と言われてしまう。
原因は、
- 地役権が登記されていない
- 口約束のみだった
というパターン。
法的根拠が弱く、揉めやすい典型例です。
実例② 通行料・舗装費を請求された
「道路補修費として〇〇万円払ってほしい」
「年間通行料を払ってほしい」
と突然請求されるケース。
地役権の内容が曖昧だと、
- 費用負担の範囲
- 維持管理責任
で揉めます。
書面がないと交渉が難航します。
実例③ 車が通れず家が売れない
袋地物件で、
- 幅員が狭い
- 車両進入不可
- 建築基準法の接道義務を満たさない
結果として
👉 住宅ローンが使えない → 買い手がつかない
という深刻な事態に。
これは資産価値が大きく下がる典型例です。
実例④ 共有私道で意見がまとまらない
私道を複数人で共有している場合、
- 舗装する・しない
- 上下水道工事
- 車両制限
などで全員の同意が必要になります。
1人でも反対すると工事が進まず、売却や建替えがストップすることも。
トラブルを防ぐための事前チェックポイント
購入・売却前に必ず確認しましょう。
① 登記簿で地役権の有無を確認
「通行地役権設定」の記載があるかチェック。
口約束は信用してはいけません。
② 道路の種類を確認
- 公道
- 私道(共有)
- 私道(単独所有)
これだけでリスクが大きく変わります。
③ 幅員・接道義務
建築基準法では
👉 幅4m以上の道路に2m以上接道
が原則。
これを満たさないと建替え不可になる可能性があります。
④ 通行承諾書の有無
私道の場合は書面での承諾が重要。
将来の売却時にも必須資料になります。
トラブルが起きた場合の解決法
もし問題が起きてしまったら、以下の方法があります。
① 話し合い・書面化
まずは合意内容を書面化。
- 通行範囲
- 費用負担
- 管理責任
を明確にします。
② 地役権設定登記
合意できたら登記するのがベスト。
これで第三者にも対抗可能になり、売却時も安心です。
③ 囲繞地通行権の主張(袋地)
法的に最低限の通行は認められます。
ただし、
- 最短ルート
- 必要最小限
- 使用料発生の可能性あり
制約も多いため、専門家相談が必須です。
④ 不動産会社・専門家に相談
実務では、
- 弁護士
- 司法書士
- 土地家屋調査士
- 不動産会社
が連携して解決します。
特に売却を絡める場合、
通行問題に慣れた不動産会社の関与が非常に重要 です。
売却予定なら早めの整理がカギ
地役権・通行トラブルがあると、
- 買主が不安に感じる
- 価格が下がる
- 契約が白紙になる
など、売却活動に大きなマイナスです。
しかし、
- 権利関係を整理
- 承諾書取得
- 登記整備
これだけで、スムーズに売却できるケースがほとんどです。
「問題があるから売れない」ではなく、
👉 「整理すれば売れる」ことが多い のが実情です。
まとめ|権利関係の確認が資産価値を守る
地役権・通行権トラブルは、
- 古い土地
- 私道
- 別荘地
- 相続物件
で特に起きやすい問題です。
そして放置すると、将来の売却・活用に大きな支障が出ます。
だからこそ、
✅ 登記確認
✅ 書面整備
✅ 専門家相談
この3つが重要。
少しでも不安がある場合は、早めに不動産会社や専門家に相談し、権利関係をクリアにしておきましょう。
それが「トラブルを防ぎ、資産価値を守る最善策」です。