メリット・デメリットをわかりやすく解説!
不動産を購入したり相続した際に、「共有名義」という言葉を目にしたことはありませんか?
共有名義とは、1つの不動産を複数人で所有する形態のこと。夫婦で家を購入するときや、親から相続した土地などでよく使われます。
一見、平等で合理的に見える共有名義ですが、メリットと同時に思わぬ落とし穴も…。
この記事では、そんな不動産の共有名義について、メリット・デメリット、注意点をわかりやすく解説します。

■ そもそも「共有名義」とは?
共有名義とは、1つの不動産に対して複数の人が所有権を持っている状態のこと。
登記簿上には「持分割合」が明記されており、たとえば以下のようになります:
- 夫婦で購入 → 夫50%、妻50%
- 兄弟で相続 → 長男60%、次男40%
この「持分」は、それぞれの資金拠出額や法定相続分によって決まります。
■ 共有名義のメリット
① 資金面の負担を分けられる
例えば夫婦で住宅ローンを組めば、借入可能額が増えるというメリットがあります。
② 相続トラブルを避けやすい場合も
特定の1人に不動産を集中させたくないとき、公平感を保てる手段となります。
③ 売却益の分散が可能
売却時の利益や税負担も持分に応じて分けられるため、節税対策になるケースも。
■ 共有名義のデメリット・注意点
① 勝手に売却・賃貸できない
不動産を売却・貸し出す際は、共有者全員の同意が必要になります。
→ 1人でも反対すると手続きが進みません。
② 将来的な関係悪化がリスクに
離婚や兄弟間の関係悪化によって、共有状態がトラブルの火種になることも。
③ 持分だけ売却するのは難しい
自分の持分だけ売ることは可能ですが、市場では買い手がつきにくく、価格も下がりがちです。
④ 維持管理・税金の分担が複雑
固定資産税や修繕費の負担をどう分けるか、あいまいだと揉める原因になります。

■ こんなケースは要注意!
- 離婚時に共有名義のまま放置 → 後に売却困難
- 相続人同士で共有 → 1人が勝手に使って他の人が不満
- 共有者が認知症に → 同意が得られず売却・賃貸不可
■ 共有名義にする前に考えたいポイント
✅ 共有にする目的は何か?
✅ 共有者との関係性は今後も続くか?
✅ 売却・相続のときどうするか決めてあるか?
→ 事前に取り決め(共有契約書など)を作っておくとトラブル回避につながります。
■ まとめ
不動産の共有名義は、便利で公平な仕組みである一方、将来的な柔軟性やリスク管理が非常に重要になります。
「なんとなく共有にしておこう…」という軽い判断が、将来の大きなトラブルを招くことも。
もし共有名義で不動産を所有している、もしくは検討中という方は、一度専門家に相談しておくと安心です。
不動産のプロとして、最適な名義形態や活用方法をご提案いたします。
