不動産購入における**住宅ローンの事前審査(仮審査)と本審査(本申込み)**の違いを理解することは、購入計画をスムーズに進める上で非常に重要です。以下に整理して解説します。
🏦 1. 住宅ローンの「事前審査」と「本審査」の違い
| 項目 | 事前審査(仮審査) | 本審査(本申し込み) |
|---|---|---|
| 目的 | 「購入可能なローン額や借入条件を確認する」 | 「実際にローンを実行できるか正式に審査」 |
| 審査内容 | 年収・勤務先・勤続年数・信用情報などの簡易審査 | 書類に基づいた詳細審査(年収証明、源泉徴収票、課税証明書、物件調査など) |
| 提出書類 | 概算の収入情報、身分証明など簡易資料 | 収入証明書、本人確認書類、印鑑証明、住民票、売買契約書など正式書類 |
| 審査期間 | 数日~1週間程度 | 1~2週間程度 |
| 結果の効力 | 「融資可能かどうかの目安」 | 「融資実行の可否を正式に決定」 |
| 特徴 | 購入希望物件に申し込む前に、事前に融資の可否を把握できる | 契約後の正式な手続きで、融資実行の最終判断を受ける |
🔹 2. 事前審査(仮審査)の特徴と役割
- 購入可能なローン額の目安を知る
- 年収や返済比率から「どのくらいの価格帯の物件を購入できるか」を確認できます。
- 購入意思の証明になる
- 売主や不動産会社に「購入意欲あり」と示すことができ、物件の申し込み(契約)を優先して進めやすくなります。
- 手続きが簡単で短期間
- 書類も少なく、1週間程度で結果が出るため、内見や契約前に確認することが一般的です。
🔹 3. 本審査(本申し込み)の特徴と役割
- 正式融資可否の判断
- 事前審査の結果に基づき、売買契約後に本審査を申し込みます。
- 所得証明や物件調査(担保評価、登記情報確認)が行われ、最終的に融資額や金利条件が確定します。
- 契約との連動
- 売買契約書の内容(価格・引渡日)に基づき、正式に融資実行が決定します。
- 本審査が通らないと、契約解除や手付金の扱いなど注意が必要です(ローン特約があれば解除可能)。
- 審査期間が長く、書類も多い
- 収入証明、印鑑証明、住民票、売買契約書など、多くの正式書類の提出が必要です。
🔹 4. 両者を活用する流れ
- 物件探し・購入予算の検討段階
- まず事前審査を受けて、「どのくらいの価格帯の物件を購入できるか」を把握。
- 購入希望物件が決まったら
- 売買契約を結ぶ前に事前審査の結果を不動産会社に提示。
- 契約締結後
- 本審査を申し込み、正式に融資可否が決定。
⚠️ ポイント
- 事前審査は「確定ではない」ため、過信は禁物。
- 本審査で年収や物件条件に問題があると、融資が下りない可能性があります。
- 売買契約時には「ローン特約」を必ず入れておくことで、本審査が通らなかった場合でも契約解除可能です。
🔹 5. まとめ
- 事前審査(仮審査):購入可能かどうかの目安を確認するための簡易審査
- 本審査(本申し込み):契約に基づき正式に融資可否を判断する審査
- 不動産購入の流れでは、事前審査→契約→本審査→融資実行が一般的
- ローン特約を活用して、本審査の結果で契約解除できるようにしておくことが安全