第6章:ローンと資金計画の立て方 ・金利タイプの違い(固定・変動)

住宅ローンを選ぶ際にまず考えるべきポイントのひとつが金利タイプです。金利タイプによって返済額の安定性や総支払額が大きく変わるため、特徴を理解して自分に合ったローンを選ぶことが重要です。


🏦 1. 住宅ローンの金利タイプ

住宅ローンの金利タイプは大きく分けて以下の3種類です。

金利タイプ説明メリットデメリット向いている人
① 変動金利金利が半年ごとに見直され、返済額は5年ごとに調整される初期金利が低いので返済額が少ない金利上昇リスクがあり、将来の返済額が増える可能性当面の返済額を抑えたい、金利が低いうちに繰上返済できる人
② 固定期間選択型当初数年間(例:5年、10年)の金利が固定され、期間終了後に変動金利や再固定が選べる固定期間中は返済額が安定固定期間終了後の金利が不確定当初数年は返済額を安定させたい人
③ 全期間固定金利返済期間中ずっと金利が固定将来の返済額が変わらず安心金利が高めで総支払額が大きくなる傾向将来の返済額を確実に決めたい、安全重視の人

🔹 2. 変動金利の特徴

  • 仕組み:半年ごとに市場金利に応じて金利が見直される
  • 返済額の決まり方:5年ごとに返済額が調整される(それまでの返済額は変わらない)
  • メリット:初期金利が低く、返済額を抑えられる
  • デメリット:金利が上昇すると将来の返済額が増える
  • ポイント
    • 繰上返済で元本を早く減らすとリスク軽減
    • 金利上昇シナリオも試算して返済可能か確認

🔹 3. 固定期間選択型の特徴

  • 仕組み:当初5年や10年など一定期間だけ金利が固定
  • 返済額の決まり方:固定期間中は返済額が変わらず、終了後は変動金利に移行したり再固定が可能
  • メリット:固定期間中は返済額が安定して計画しやすい
  • デメリット:固定期間終了後の金利次第で返済額が変わる
  • ポイント
    • 固定期間中に繰上返済で元本を減らす戦略が有効
    • 契約時に期間終了後の対応(再固定か変動か)を確認する

🔹 4. 全期間固定金利の特徴

  • 仕組み:返済期間中ずっと金利が固定
  • 返済額の決まり方:将来も返済額が変わらず計画しやすい
  • メリット:返済額が変わらず安心、金利上昇リスクなし
  • デメリット:金利が高めで、総返済額が大きくなる
  • ポイント
    • 将来の収入や支出が不安定な人でも安心
    • 総支払額が高くなるので、月々の返済額に余裕があるか確認

🔹 5. 金利タイプ選びのポイント

  1. 返済額の安定性重視 → 全期間固定金利
  2. 初期負担を抑えて繰上返済を活用 → 変動金利または固定期間選択型
  3. 当面の安定と将来の金利変動対応を両立 → 固定期間選択型

⚠️ 注意点

  • 金利が低いからといって無理に借入額を増やすと、返済負担が大きくなり生活が圧迫されます。
  • 事前に返済シミュレーションをして、「万一金利が上がった場合でも返済可能か」を確認することが大切です。